認知症の周辺症状
認知症の周辺症状とは
認知症になると、記憶力の低下以外にも、不安、抑うつ、幻覚、妄想、興奮、不穏、攻撃的な行動など、心理的な問題や行動上の問題=周辺症状があらわれます。
BPSD(Behavioral and psychological symptoms of dementia)とも呼ばれます。
認知症の症状には、「中核症状」と「周辺症状」があります。
中核症状については、認知症のページをご確認ください。
認知症の周辺症状(徘徊、どなる、セクハラ、介護抵抗など)の症状
環境要因、身体要因、心理要因などの相互作用によって様々な精神症状や行動障害症状があらわれます。
- 抑うつ・アパシー…意欲が低下して引きこもりがちになる状態
- 徘徊…目的や道を忘れるなどして歩き回る状態
- 暴言や暴力…周りの人や介護者に対して攻撃的なことを言ったり、殴ったりする状態
- 幻覚・幻聴…実際に存在しないものが見えたり、聞こえたりする状態
- 妄想…実際はありもしないことを事実のように信じ込んでしまう状態
認知症の周辺症状(徘徊、どなる、セクハラ、介護抵抗など)の治療法
認知症の周辺症状(BPSD)の治療法は、以下のようなものがあります。
- 薬物療法:薬物療法は、BPSDの症状を緩和するために使用します。例えば、抗不安薬や抗精神病薬は、認知症患者の不安や興奮を和らげるために使用することが多いです。ただし、副作用が強く出すぎていないか注意深く評価する必要があり、適切な投与量を見極める必要があります。
- 運動療法:ウォーキングなどの有酸素運動によって、認知症患者の身体機能が改善されるとともに、ストレスや不安を緩和することが目的です。
- 音楽療法:音楽鑑賞や楽器の演奏によって認知症患者の感情や気持ちを安定させ、リラックスさせることが目的です。
これらの治療法は、認知症患者の症状に応じて組み合わせて使用します。
当院での在宅医療でのサポート
認知症になるとご家族や近隣地域の方々に迷惑をかけてしまうのではないかと考えてしまう方は少なくありません。
認知症になっても、これまで住み慣れたご自宅で、ご家族と一緒に穏やかに暮らしたいと考えている方が大勢いらっしゃいます。
そのためには、その方に合った適切な薬物治療と介護が必要です。
当院では、患者様ご本人はもとより、日々の介護に取り組むご家族の心身の健康維持や介護力を手助けしながら、認知症でも穏やかに自宅で暮らしたいという思いをサポートしていきます。